動物病院で獣医師の治療方針が不安になった。獣医師に不信感を抱いてしまった。治療していても回復しない。言われるまま手術してもいいのかな?気まずくて言い出せないかもしれませんが、迷わずセカンドオピニオンを行いましょう。セカンドオピニオンのやり方や注意点、うまく伝えるコツなどについてお話していきます。
ワタシ
トイ・プードル2匹を飼う愛犬家。
愛犬の身体と心を理解するため、数々の資格を取得。トイ・プードル中心に、さまざまなワンちゃんとも触れ合いながら日々学習中。
知りたい情報、良い製品探しをするため、安易に口コミを真に受けず、自ら実践しリサーチを含め徹底的に調査。根拠を追求し確かな情報をお届けします。
動物病院のセカンドオピニオンは当たり前になってきている
愛犬の病気が一向に治らない。再発をくりかえす。本当にこのままこの先生の治療方針で大丈夫なんだろうか?手術しても大丈夫なんだろうか?
不安だからセカンドオピニオンを受けたいけれど、失礼に当たってしまうかもしれない。獣医師に気まずくて伝えられない…。そんな風に考えてしまいますよね。
でも、気負わなくても大丈夫。
犬をはじめペットのセカンドオピニオンは、当たり前になってきているようなので、快く受け入れて下さる獣医師もいます。
以下の動物病院のように、セカンドオピニオンを受けたいという愛犬家の気持ちを理解してくださる先生もいますよ。
「セカンドオピニオンを受けると言うと、先生に悪い気がする。信頼関係が崩れるんじゃないか。今後の通院に支障が出るのではないか」などなど。そう考えてしまう気持ちはとてもよくわかります。一方で、獣医師1人の限界をよくわかっているのも獣医師です。医療は完璧ではありませんし、獣医師はもっと完璧ではありません。誠心誠意、目の前の伴侶動物の健康のために全力を尽くしてはいますが、患者様の不安も、セカンドオピニオンを受けたいと言う心情も獣医師はよく理解しているはずです。
引用:ちゅら動物病院
セカンドオピニオンの本当の意味
セカンドオピニオンは、主治医以外の医師に意見を聞いて、その他の医師の見解を踏まえて主治医と治療方法を考えていくことです。
主治医に内緒で違う病院へ行くのは、セカンドオピニオンとは言いません。
ワタシが「セカンドオピニオン」の本来の意味を知ったのは数年前。それまでは、「違う病院へ行くこと」だと思っていました。その上で、どっちの病院で治療をするかを決めるんだと勘違いをしていたんです。きっとそう考えている方も多いんじゃないでしょうか。
驚くことに、同じように考えていた獣医師もいました。
セカンド・オピニオンについて私は誤解していた.恥ずかしながら,私はセカンド・オピニオンとは,最初にかかった病院に不満や不信感があるときに,病院を変えることだと思っていた.
かなり古い記事のようですが、このように獣医師自体も知らない場合もあるようです。
「別の動物病院に変える」「他の獣医師に変える」のは「転院」「転医」となります。
次から次へコロコロと「転院」することを「ドクターショッピング」と言います。
動物病院のセカンドオピニオンのメリットデメリット
メリット
- かかりつけ医とは違う治療方針が見つかり、選択肢が広がる
- 誤診を回避できる
- 同じ結論の場合、より安心して治療が受けられる
- 病気に対する知識が深まる
1つの検査結果などのデータから2人の獣医師の意見を聞くため、あたらめて他の動物病院で診てもらった場合(転院)に比べ、無駄な検査や診察を受けずに済むのもメリットの1つです。ですが、セカンドオピニオン先の獣医師の判断により、再検査を行なったとしても、また違う結果が出る可能性もあるでしょう。
デメリット
- 費用がかかる
- 違う選択肢を聞いて、余計に混乱してしまう
獣医師の見解が全く異なった場合、混乱し迷いが生じる可能性もあります。
動物病院のセカンドオピニオンの費用
セカンドオピニオンにかかる料金は保険適用外で、以下のように動物病院によってさまざま。紹介状が不要だという病院もありました。
追加検査がない場合のセカンドオピニオン相談料は4,000円(税別)
引用:あさ動物病院
腫瘍専門医とのオンライン相談
相談料 60分 5,000円
予約料 5,000円(税込)引用:動物がんクリニック東京
セカンドオピニオン ... 相談費用:3,000円 / 30分.
引用: プリモ動物病院
セカンドオピニオン料(30分まで):¥2,000 10分延長するごとに¥1,000加算(税抜き)
予約料1,000円
セカンドオピニオン料: 5,500〜11,000円(税込)
初診料 1,650円引用:品川WAF動物病院
中には、「無料」という動物病院もありました。セカンドオピニオンを受けたい動物病院をピックアップしたら、電話で費用などを問い合わせておくと安心ですね。
動物病院のセカンドオピニオンのやり方
- セカンドオピニオンを受ける動物病院を決める
- 主治医にセカンドオピニオンを受けたいと伝え、紹介状、検査結果のデータを用意してもらう
- セカンドオピニオンを受ける
- 主治医に、セカンドオピニオンを受けた獣医師からの書類などを渡して相談する
主治医が準備してくれた、わんちゃんの治療経過や、検査結果などの資料、投薬歴などを持って、相談へ行きましょう。その後は、セカンドオピニオンを受けた獣医師から渡された書類を主治医に渡し、それからの治療について話し合います。
動物病院のセカンドオピニオンを受ける際のポイント
セカンドオピニオンを受ける際、主治医の治療法をきちんと把握しておく必要があります。そして、どういう部分が不安なのか、何が知りたいのか、どんな希望があるのか、しっかりと整理しておきましょう。
でなければ、第二の意見を聞いた時、どちらが良いのかわからなかったり話がごちゃ混ぜになって、決断できなくなってしまいます。
主治医の治療法などは、ご自身でメモするか、獣医師に簡単に書いていただくようお願いするのもベストな方法です。禁止している動物病院もありますが、承諾を得て録音させてもらうと、後で聞き返せるので安心ですよ。
そして、主治医はこう言うけれどここが不安。こういう方法があると聞いたがどうか?など、聞きたいことをまとめておいて、セカンドオピニオンを受けましょう。
もう1つは、最終的な決断をするのは飼い主さんだという点です。セカンドオピニオン後、どちらの治療方針にするか自分だけでは決めかねてしまう場合も多いと思うので、家族などと一緒に受けるといいですね。
セカンドオピニオンで動物病院を探す際の注意点
セカンドオピニオンを希望すれば、主治医が紹介してくださる場合もありますが、「犬 セカンドオピニオン 都市あるいは地域名」で検索すると、たくさんヒットします。
わんちゃんの疾患に必要な設備を確認
注意点は、わんちゃんの疾患に必要な設備があるかどうか必ず確認しておくこと。設備がないようなら、セカンドオピニオンを受けた動物病院から、さらに紹介される場合もあると考えておかなければいけませんね。それでも、専門医なら安心できるかもしれません。
うちの場合(セカンドオピニオンではなく転院しましたが)最終的にパテラの手術をするとなると、CT検査ができる整形の専門病院を紹介すると言われました。うちでも手術はやっているが、妹ちゃんの場合、もっとも安心な方法で行うのが良いだろうという事でした。(おそらく、ワタシが心配性すぎる、うるさすぎるため)
また、飼い主さんが調べた上で、行いたい治療があるなら、その設備がある方がいいですね。
悪質な動物病院もある?
以下は、人のセカンドオピニオンについてです。
紹介先の病院が決まれば、検査結果やレントゲン画像などを送る。患者側が病院を指定しない場合は、担当医の裁量に任せられることになる。この場合、注意が必要だ。
「医者の世界にも派閥や学閥があるので、紹介状を書くのも同じ系列の病院だったりすることがあります。『うるさい患者が行くから、ひとつよろしく』と言っておけば、『前の先生の結論で問題ないですよ』と軽く言われ、戻されてしまう。セカンドオピニオンを取ったけど、何も得るものがなかったなんてケースもあります」
引用:週刊現代
怖いけれど、ありそうな話。看護師の友人に、医師の闇を聞くこともあります。獣医師も例外ではありません。自分で納得のいく動物病院を探す方がいいかもしれませんね。
セカンドオピニオンを希望すると怒る獣医師もいる
当たり前になっているとはいえ、セカンドオピニオンを切り出すと怒ってしまう獣医師がいるんじゃないかって思ってしまいますよね。
実際に、チワプー(チワワとプードルのミックス犬)のクッシング症候群の治療に関して「セカンドオピニオン」を申し出たら、ムスッとして「そんな失礼な。だったら別のところに行けばいい」と怒られて帰らされたという話を友人から聞きました。
ある動物病院で「セカンドオピニオンを希望すると逆ギレされた」というGoogleの口コミも見たことがあります。現実に、セカンドオピニオンを申し出て怒る獣医師もいるんですね。
「他の獣医師の意見を聞きたい」と言われた獣医師はどんなふうに感じるでしょうか?
もしかすると、「その獣医師の治療方針を否定している」、自身の見解や治療方針が「間違っている」と言われたように感じるのかもしれません。
怒らないとしても、否定されたような気がして気分を害する先生がいるかもしれません。純粋に複数の医師の意見を聞きたいだけだとしても。
考えれば、自分の意見を否定され気持ちいい人はいません。否定されるとやる気を削がれてしまいますよね。せっかく一生懸命に犬の治療を考えていたのに、「治そう」という気持ちを萎えさせてしまう気もします。
獣医師も人間ですから、そうなっても不思議ではないなと感じます。
動物病院のセカンドオピニオンでうまく伝える言い方
セカンドオピニオンがしたい場合、気まずくて言いにくくても、率直に言うしかありません。
パテラの手術を勧められたら…「どうにか手術せずもう少し頑張ってみたいと思っています。ネットで見るとこんな回避法もあったり、手術せずに済んでいる子たちもいるし、他の先生の意見も聞いてみたいのですが」
本来は、こんな風に思ったまま伝えるのが望ましいのですが、それってなかなか難しいですよね。
そんな時は、「その医師の治療法に不安がある」「他に何か方法があるんじゃないの?」のように感じさせるネガティブな言い方を避ければ言いやすくなります。
セカンドオピニオンを知らなかったり、話が通じない獣医師だとすれば「心配しなくても大丈夫」などと言われてしまう可能性もありますが、「否定」ではなく「私がこうだから」という感じならまだ言いやすいですね。
「転院」や「利便性に応じた使い分け」が便利
ワタシ個人的には、セカンドオピニオンではなく転院する方が良いと思っています。他の獣医の意見を取り入れたとしても、一度持ってしまった疑問による不信感やモヤモヤがあるまま、その動物病院で治療を続けるのは難しいと思うからです。
場合によっては、完璧に転院するのではなく、使い分けするのもおすすめです。
ワタシは、かかりつけ医を含め、3つの動物病院へ行っています。
- かかりつけ医
- 自転車で1分もあれば行ける近所の病院
- 土日祝日でも開いている病院(はじめにかかっていた病院)
そんな風にしている飼い主さんも多いと思います。
ワタシが転院したのは、何度かあった「ん?」という出来事がきっかけです。
- 先住犬匿名くんの部分的に赤くなっている歯肉が気になって、3度に渡り尋ねても「これくらいは大丈夫」と言われ、治療や対処法の提案なし。(結果、オーラティーンデンタルジェルで即改善した。)
- トイプードル妹ちゃんの涙とよだれがものすごくて受診。絶対食べたものの影響だと確信していたが「関係ない」と即答された。(結果、米アレルギーのせいだった。)
- 涙がひどくなって受診。「人が痒くなるのがあるのと同じように、なんとなく気になって目を触りすぎて涙が出ているだけ」と診断。(結果、逆まつげが原因だった。)
そして、最後のとどめで、パテラの手術。
ケージレスト後、良くならなかった膝蓋骨脱臼(パテラ)で、手術を検討した方がいいと言われ、別の病院で診てもらい転院しました。現在のかかりつけ医です。
今現在、パテラについてはそれまでの病院でかかっていませんが、休日どうしてもの緊急時には診察を受けています。(ひどい下痢や嘔吐など)パテラのことで何か聞かれたら「サプリメントを飲み出してかなりいい状態です。」と言い、違う病院へ行っていると言う必要もありません。
ワタシは、かかりつけ医と近所の病院には、他院にもかかっていると言っていますが、何か言い訳したいとすれば、「通うのが大変で近くの病院に行っています。」などと言えばいいですよ。
緊急で行った翌日には、かかりつけ医で再度診てもらい「こういう診断で、こういうお薬をもらった」と伝え、指示を仰ぎます。特に不安な事がないなら、次に行った時に報告する感じです。
うちの場合、レントゲンなども撮らなかったので問題ありませんでしたが、検査結果などのデータが必要な場合は、セカンドオピニオンにした方がいいですね。
セカンドオピニオン前に電話相談やメール相談も
他の先生の意見が聞きたいけど、主治医には言いにくいし、なかなかセカンドオピニオンに踏み切れないという方は、電話やメール相談してみるのも1つの手です。
ワタシは、歯肉の赤みを3度「大丈夫」と言われ、どうしても納得いかなかったため、アニコム損保へLINEで相談しました。すると、やっぱり「歯の周りが少し赤くなっていますね。」と言われて納得。それに、「歯肉炎があると歯磨きによって痛みが出たり出血したりする場合があります」とのこと。
ですよね。これで歯磨きすると痛そう。
歯石はないけど歯肉炎っぽい。
簡単なライン相談で、他の病院で診てもらう後押しをしてもらった感じでした。
その後、他の病院で受診し提案いただいたのが、オーラティーンデンタルジェルでの歯磨き。その歯磨き粉に変えるとあっという間に歯肉の赤みがなくなりました。
このように、ほんのちょっとした相談なら電話やメール相談してみるといいですね。
大きな病気だと、検査結果や主治医の治療方針、お薬、犬の現状などがわからないため、電話相談するだけ時間の無駄かもしれません。迷わずセカンドオピニオンを申し出るか、他の病院で診てもらいましょう。
保険に加入していると、だいたいそういうサポートはついていますよね。入っていない方は、以下のように無料で相談できる機関があります。(登録が必要な場合もありますが、自己判断にてお願いします。)
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最後にー余談
ワタシ思うんですけど、どこの動物病院も「セカンドオピニオンを受ける側」としての発信がほとんどなんですよね。
「セカンドオピニオンに出す側」としての発信もしてほしいって思います。
なんて書いてくれていると、飼い主は気まずいって悩んだりしないのに。
「お年寄りに席を譲ろう」と発信するより、「お年寄りは席を譲られたらありがたく受けよう」って広める方がいいんじゃないかなって思うのと同じ。
席を譲ろうっていう若者はそう少なくないのに、無視されたり怒ったり断られるから躊躇して言えなかったりもしますよね。逆側への訴求もしてほしい。
「患者を取った」みたいで申し訳なく感じるそうです。そうなると、主治医に言わず転院してくれた方が良かったと思っているかも。