散歩中いきなり「キャン!キャン!」と壮絶な悲鳴を上げたり、散歩から帰っても体を痒そうに噛んだり、なんだか様子がおかしい。
それってもしかすると、毛虫の毒毛が原因かもしれません。
当時4ヶ月のトイプードル匿名くんと、ワタシやワタシの娘ちゃんは、何の毛虫なのかはわかりませんが、毒にやられ、とんでもなく苦しめられた経験があります。大人の人間でさえ、とんでもない痛みを感じたので、犬にとっては我慢できない地獄のような苦しみです。
どうか、あなたのワンちゃんが同じ経験をしませんように。体験談や対処法などをご紹介します。
毛虫の毒毛による毛虫皮膚炎とは?
毛虫皮膚炎を引き起こす茶毒蛾(チャドクガ)
毛虫皮膚炎とは、毛虫(蛾の幼虫)の毒のある毛が原因で起きる皮膚炎です。
毛虫の幼虫のからだには50~100万本以上もある微細な毒針毛があり、それが皮膚に触れることにより皮膚炎を生じます。
引用元:埼玉皮膚科医会
有毒毛には主に毒針毛(どくしんもう)と毒棘(どくきょく)があり、前者はドクガ類(ドクガ、チャドクガなど)、後者はイラガ類(イラガ、ヒロヘリアオイラガなど)の幼虫に備わっています。
ドクガ類の毒針毛は長さ0.1~0.2mmの微細なもので、幼虫1匹に数十万本以上が密生しているため、これに触れると激しいかゆみを伴うジンマシンのような症状、あるいは赤いブツブツが多発します引用元:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A
- ドクガ類 ⇒ 毒針毛(どくしんもう)
- イラガ類 ⇒ 毒棘(どくきょく)
とても恐ろしいのが、ドクガ類。特に上記画像のチャドクガは、全国の自治体でも注意喚起されています。
チャドクガの幼虫が恐ろしいのは、1匹の毛虫が50万本持っている毒針毛がヒスタミンなど毒成分を持っていることです。毒針毛は幼虫の体表に生えている長い毛とは違い、長さ0.1mmと微細なので顕微鏡で拡大しないと見えません。
引用元:ウェザーニュース
そして、風に飛ばされた毒毛で皮膚炎になる場合もあります。
毛虫皮膚炎の難しいところは毛虫に直接触れていなくても体から抜けた毛が風に乗ってきて、皮膚に付いても発症するところ。洗濯物や布団に付着した毒針毛に触れても発症するから要注意です。
引用元:ひまわり医院
体験談で後述しますが、うちのトイ・プードル匿名くんの毛虫被害は、全身痛みに襲われ地獄の体験でした。ワタシたち人間も、1週間以上痛みや痒みに苦しまされました。
毛虫の毒毛被害の対処法
患部をこすらない
毛虫(チャドクガ)の被害にあったとすれば、まず絶対こすったり掻いたりてはいけません。毒毛が皮膚に刺さったり、毒気を広げてしまうため、症状が悪化する可能性があります。
以下はチャドクガの長さ0.1-0.2mmほどの「毒針毛」の顕微鏡で見た画像です。
引用元:北海道立衛生研究所
4〜5本に分かれて広がり抜けにくい構造になっているため、皮膚から抜けにくくなってしまうんですね。
毒棘(どくきょく)の画像は見つけられませんでしたが、どうやらイラガ類よりドクガ類の方が、痛みなどの症状がひどいもよう。
ワタシは、悲鳴を上げ続ける匿名くんの身体や足をさすったり肉球を軽く揉むようにこすったりしてしまいました。匿名くんも足を噛んだり舐めたりしていましたし、おそらくそれが原因で、よけいに症状を悪化させてしまったのだと思います。
粘着テープで毛虫の毒毛を抜き取る
毛虫の毒毛を取り除くには、粘着テープ(ガムテープ)を使用し、その後洗い流します。
- 犬の肉球にガムテープを貼り付け、思いっきりベリっと剥いで毛虫の毛を抜き取る
- その後流水で洗い流す
- ブラッシングで取り除きシャンプーをする
トイプ匿名くんは、身体のあらゆる場所を痒がっていました。救急病院での獣医師からの指示は、「ブラッシングで取り除きシャンプーをする」ということでした。
ワタシは、足裏は粘着テープで、体はブラッシング前にコロコロを使って粘着させました。
飼い主の身体や衣類なども対処する
キャンキャン鳴く犬に触れた場合、飼い主さんの身体や衣類なども、きっちり対応しましょう。そうしなければ、また犬にも被害を及ぼしてしまいます。
- 犬に触れた飼い主の身体も、同じようにガムテープで毛虫の毛を取り除く
- シャワーを浴びて着替える
- 衣類についた毒毛が飛び散らないようにする
その時、犬や飼い主さんが身につけていたもの(カバンやハーネス)も、毛が飛んでも良い場所に移動させ、着替えもそこで済ませましょう。服を通して中に入る場合もあるので、下着なども例外ではありません。
後で掃除しやすいため、フローリングの部屋がおすすめです。
動物病院で受診する
その後、すぐ動物病院へ連れていってあげてください。
基本的にできる対処は、毛を取り除くことですが、注射や塗り薬、飲み薬などを処方してもらえます。ワタシは当日救急病院へ行き、翌日かかりつけのお医者さんに診てもらいました。
その時、症状が出る前、どこを歩いていたか、散歩道に生息している植物もわかる方がいいですね。ただ、毛虫ではない可能性も考えて総合的に診てもらいましょう。
衣類などに熱湯をかけヒーター式洗濯乾燥機へ
毛虫の毒毛がついていると思うものすべて、熱湯をかけましょう。毒毛の毒はタンパク質のため熱に弱く、50〜60℃以上の高温で毒の成分が分解されます。
参考元:すくすくまことクリニック
ワタシは、全てお風呂へ放り込み、60度に設定したシャワーをかけ続けました。それでも心配だったので、その後ヒーター式の洗濯乾燥機でよく洗って乾かしました。
毒毛がついた衣類を普通に洗濯しても毒は抜けないので、また痛みや痒みなどの症状に苦しめられる可能性があります。さらに、他の洗濯物にも移ってしまいます。
洗濯乾燥機のない方は、コインランドリーで洗濯してくださいね。(必ず、家で熱湯をかけ毒を抜き、一度洗濯してからにしましょう。他の方に迷惑がかかります。)
漂白剤やスチームアイロンも、毒が抜けます。
毛虫被害?!キャンキャン壮絶な悲鳴を上げ続けたトイプードルの匿名くん
後で冷静になって考えると、毛虫被害は以下のように起きたと考えています。
- 散歩で、毛虫の毛が体に付着した
- 帰宅する際キャリーリュックに入れたため、毛虫の毒毛があちこちに飛んだ
- 家の中で、床に立たせた際、足裏に刺さった
- だっこしていた、ワタシたちにも付着してしまった
散歩から帰り、上げた足を震わせながら「キャンキャン!」と悲鳴
8月暑い夏の夜、トイ・プードル匿名くんは、うちのムスメちゃんとお散歩に出かけました。帰る前、他のわんちゃんとご挨拶をしたのが、木の下でした。初めは楽しそうにじゃれあっていましたが、小声で少し「クンクン」鳴き出したので、ムスメちゃんは「帰りたいのかな」と思ったのだそう。
その後、キャリーリュックに入れ帰宅途中、リュックの中でも鳴いていたそうです。帰ってきて家に入った時、ワタシは匿名くんの足を拭こうと「おかえりー」と近づいていきました。そして、ムスメちゃんが匿名くんを床に下ろしたと同時くらいに、「ギャンキャンキャン!!!」というものすごい悲鳴。高く上げた左後ろ足、小刻みにプルプルと震えています。
床に立たせたことで、体についていた毛虫の毛が足裏に刺さったのだろうと予測します。
何もわからないワタシは、「股関節や膝が脱臼しているとかで痛がっているのかも」と思い、なんとかしようと匿名くんを抱きかかえました。ムスメちゃんに「脱臼の治し方調べて!」と言いながら、足に手を添え固定しました。
匿名くんは「キャンキャン」泣きながらワタシにしがみつき、痛さのあまりに私の首筋や顎をものすごい必死でペロペロと舐めていました。「ママ助けて!助けて!」と言うような匿名くんの訴え。
そして、キャンキャンクンクン鳴きながら、しきりに肉球やお尻あたりに噛み付いたり、また私にしがみついたり...。今でもあの時の匿名くんの悲痛な訴えは忘れられません。思い出すと震えるくらい怖くなります。
毛虫が原因?粘着テープで身体中をペタペタコロコロ
自分の足裏を激しく噛んだり、身体を掻きむしる。そしてまた激しい叫び声をあげる。一体どうすればいいの?スマホで色々検索していたムスメちゃんが、「毛虫かも」と言ったんです。そこで見た対処法が、粘着テープでした。
足全体や肉球に触った後でしたが、粘着テープを貼り付けて思いっきり剥がし、毛虫の毛なら早く取れて!と思いながら必死でした。そして身体も粘着テープのコロコロを繰り返しました。
そうこうしているうちに、ムスメちゃんは腕や太ももあたりが、ワタシも首筋や腕などがチクチク痛み出したんです。ムスメちゃんにはシャワーを浴びさせ、ワタシも洋服を着替え、すぐ救急病院へ向かいました。
病院へ着く頃落ち着いて...
救急病院へ向かう車の中、匿名くんも少し落ち着いた様子で、鳴き声は上げず静かに目を閉じていました。時々、痒そうに身体を噛んだり足で掻いたりしていましたが、家にいた時より随分とましになっていました。
獣医師に診てもらった時も、普通に歩けた上、痛みもほぼなくなっているように見えました。(匿名くんはとっても人が大好きなので、人に会うことで紛れていた可能性あり)
経緯を話すと、膝などに問題はなさそう。脱臼は繰り返すと、慣れて痛みを感じないとのこと。獣医師は匿名くんの足を持って「今、脱臼させているんですよ。」と言います。
脱臼させても痛くないこともびっくりしましたが、今はそれどころじゃありません。「じゃぁ、やはり毛虫でしょうか?対処法はありますか?」
「そうかも知れないですね。毛虫の毛だとしても、対処法はありません。ブラッシングとシャンプーをしてあげてください。」ということです。毛虫の毒については、獣医師も把握していないそうで、毒毛が取れるのを待つしかないのだと言いました。
そこで、炎症止めだったか、飲み薬を飲ませてもらい帰宅しました。
獣医師の指示通りブラッシング後シャプーを
帰宅してから、獣医師の指示通りすぐにブラッシングした後シャンプーをしました。トリミングには行ったことがありましたが、家でシャンプーするのは初めてのこと。シャンプー用の桶やシャンプーを買っておいてよかったです。ほんと。
入念に洗い流してからのドライヤーとブラッシング。思いの外、おとなしくじっとしているので驚きましたが、痛みや車移動などで疲れていたからかもしれません。
シャンプーが終わると、疲れたようにぐっすり眠る匿名くん。その間に、フローリングやカーペットの掃除。着ていた洋服、キャリーリュック、匿名くんの乗ったクッションカバーなどすべてをお風呂場に入れ、60度に設定したシャワーをかけ続けました。毛虫の毒を取るためです。
息が速くておかしい?!死んじゃダメ!!再度救急病院へ
1時間半くらい経過したでしょうか。その後、匿名くんの様子を見ると、呼吸が速くて苦しそうな息遣いをしていました。そんな息遣いをするのは初めてで、死んじゃうんじゃないかって思い、本当に焦りましたよ。病院の先生に見せるために動画を撮影しました。
すぐ救急病院に電話をし、再度急いで病院へ。病院へ着いた頃には、また少し落ち着いていたのでホッとしました。
そこまで心配はいらないけれど、念のため注射をしておきましょうと、プレドニゾロンという注射をしてもらって帰宅しました。
※プレドニゾロン:抗炎症作用、免疫抑制作用のあるステロイド薬
一睡もできずに苦しんだ匿名くん
病院では少し落ち着いていたものの、その夜、匿名くんは小さく苦しそうな声を上げてあちこち掻いたり噛んだり、寝るにねれない状態。もがき苦しんでいました。
眠ろうとするけれど、痛みや痒みが襲ってくるのか、足や体を舐めたり掻いたり、這うように横になる位置を変え、ダブルの敷布団の上をあっちにいったりこっちにきたり、移動しまくっていました。
結局一晩中もがき続け、ようやく落ち着き眠ったのは朝方。それも、疲れすぎてのこと。
匿名くんは、その頃約4ヶ月のパピーちゃんでした。体重は、たったの1.85kg。こんな小さな子が、たった1人で苦しみに耐えている様子を見て、何とも言えない気持ちになりました。性格なのかもしれませんが、基本犬って忍耐強い生き物です。本当に愛おしいですよね。
本当に、長い長い夜でした。
翌朝かかりつけの動物病院でも対処法なし
細い足が強調される赤い包帯。テディベア座りが一際目立ちます
翌朝、かかりつけの動物病院でも診てもらいました。念のためとレントゲン撮影。骨や関節に異常はありません。そして、救急病院の獣医師が言ったように、毛虫の毒毛の被害に遭っても、「対処法はない」と言われました。
- 病院でも、毛虫の毒毛についての情報ははっきりわからない
- 毛を取るしかないが、目視できないからどうにもできない
そういう症例はそんなに多くはないのだとか。
「じゃぁどうしようもないんですか?」
「そうですね。」
仕方がないので、足裏のバリカンをし、何かの軟膏を塗って包帯を巻いてくださいました。加えて1週間分、2種類の飲み薬「レスタミン」と「プレドニゾロン」をもらって帰りました。
続く痛みと突然襲ってくる毛虫の毒毛の激痛
その後、匿名くんは「キャンキャン!」と鳴きはしないものの、1週間ほどは、体を掻いたり噛んだり痛みや痒みが残っていました。そして、ムスメちゃんもワタシも、あちこちチクチクしたり痒みと激痛で1週間〜10日は苦しみました。
ずっと激痛が走るわけではなく、突然襲ってくるんです。普段はチクチクしているだけなのに、前触れなく激痛が走ったり、ふと触れた瞬間にその部分の周辺にとんでもない激痛が襲ってきます。「痛い痛い痛い〜!!!」と大声を上げてしまうほど。
毛虫皮膚炎の画像を検索すると、ものすごいブツブツなんですよね。お腹など洋服で隠れている場所も、ものすごい発疹が出たりもします。
引用元:日本皮膚科学会 皮膚科Q&A
それと比べれば全然大したことはありません!はじめはチャドクガの毛虫だと考えていましたが、違う毛虫だったかもしれませんね。
そして、人間でさえも、日が経過してからもここまで痛いのだから、匿名くん本人はもっと壮絶なものだったでしょう。キャンキャン言って当たり前。ワタシたちも2度と味わいたくない痛みですが、匿名くんにももう2度と絶対味あわせたくありませんし、他のわんちゃんにも味わってもらいたくないです。
有毒毛を持つ毛虫の発生時期と発生場所
引用元:川崎市
毛虫に注意しなければいけないのは、4月〜11月。
チャドクガやドクガは卵や成虫(蛾)、脱皮した殻も毒を持っているので、1年中危険が潜んでいるということになります。
有毒毛を持つ毛虫の発生時期と発生場所(生息する植物)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいね。
※以下の表は横にスクロールできます。
画像 | 毛虫の名称 | 発生時期 | 生息する植物 |
---|---|---|---|
出典:hc.nikkan-gendai.com |
チャドクガ | 4〜5月 8〜10月 |
ツバキ科の植物 ツバキ/サザンカ |
出典:www.flickr.com |
ドクガ | 6~7月 | ハマナスやキイチゴ類などのバラ科 ツツジ/サクラ/ウメ/バラ |
出典:www.chinjuh.mydns.jp |
モンシロ ドクガ |
6〜7月 10〜5月 |
サクラ類/ウメ/ナシ/リンゴ/クヌギ/クリ |
出典:www.jpmoth.org |
タイワンキ ドクガ |
4〜5月 8〜10月 |
キク科:ゴボウ/アブラナ科:ダイコン タデ科:ツルソバ/バラ科:バラ |
出典:naturalism-2003.com |
キドクガ | 6~7月 | カバノキ科/ヤナギ科 マンサク科 |
出典:blogimg.goo.ne.jp |
ゴマフリ ドクガ |
5月 7~8月 |
ツバキ科/バラ科/マメ科 |
出典:www.jpmoth.org | マツカレハ | 4~6月 8~10月 |
マツ類/モミの木 |
出典:twitter.com |
クヌギカレハ | 5〜9月 | クヌギ・コナラ・クリ(ブナ科)/カエデ類(ムクロジ科) アカシデ(カバノキ科)/リンゴ・ナシ(バラ科) |
出典:weblio.hs.llnwd.net |
タケカレハ | 5〜8月 | ササ類/タケ類 ススキ・ヨシ(イネ科) |
出典:www.hokusetsu-ikimono.com |
タケノ ホソクロバ |
5~7月 8~9月 |
ササ類/タケ類 ススキ・ヨシ(イネ科) |
出典:pds.exblog.jp |
ヒロヘリアオ イラガ |
6〜7月 8〜9月 |
カキ等のカキノキ科/サクラ・ウメ・カナメモチ等のバラ科 ヒイラギモクセイ等のモクセイ科/モミジ等のカエデ科 |
出典:www.city.nagoya.jp |
イラガ | 7〜8月 | 雑食性の種類が多く、幅広く果樹・樹木全般に発生 |
とても恐ろしいチャドクガの発生時期は4〜6月、8月〜9月(10月)と記載されているところがほとんどです。
年2回、4~6月と8~9月頃に発生し
気候により発生時期がずれることや、1年に3回発生することがあります。
引用元:茅ヶ崎市
4月から6月頃と8月から10月頃
引用元:新潟市
チャドクガの幼虫は4月~6月と10月~11月と年2回発生します。
引用元:岡崎市
チャドクガの幼虫(毛虫)は、年2回、4~6月と8~9月頃に発生し、7~8月と9~11月に成虫(ガ)になります。
引用元:奈良市
通常6月~8月と9月~11月の2回産卵し、ふ化する
引用元:三条市
チャドクガ同様注意が必要なドクガや、沖縄で大量発生するタイワンキドクガなども、だいたい同時期。以下は、沖縄県宜野湾市の2020年6月の情報です。毎年同じ時期に被害が出ているため、2021年も同時期に発生する見込みのようです。
タイワンキドクガ
現在、宜野湾市内公園で「タイワンキドクガ」の発生が確認されております。
引用元:宜野湾市
人の場合ですが、長くて半年ほど症状が残る場合もあると言いますから、本当に注意したいものです。
毛虫被害に遭う場所
毛虫は、上記でご紹介した木に発生しますが、木を避けて散歩しても安心できるわけではありません。なぜなら、ドクガは草むらや庭で発生する...なんて情報もあったからです。
幼虫は、草むらや河川敷、家の周りの空き地などに生息しているので、特に6月にはこのような場所には入らないようにします。(中略)イタドリやノイバラなど草丈の高い植物が生えているところでは、顔面や首をやられる可能性が高くなるので、特に気をつけましょう。
また、このような場所のそばにある公園や遊歩道にも発生していたり移動してくることがあるので、もし幼虫を見つけたら管理をしている人に連絡して駆除してもらいましょう。引用元:北海道立衛生研究所
そりゃそうですよね。毛虫がじっとしているとも思えないし、現に道のど真ん中で毛虫を目撃する時だってあります。
6月から7月にかけて、草むらや庭に幼虫が発生します。主にイタドリ、ハマナス、ノイチゴなどにつき、小さいうちは集団で生活します。
引用元:石狩市
以下の方は、草むらで毛虫を突っついて遊んでいたミニチュア・シュナウザーちゃんの毛虫皮膚炎の画像です。何の毛虫かはわかりませんが、毛虫の毛が残っていて、化膿してしまったんですって。
舐めて毛玉ができたのでバリカンをかけて、手持ちの皮膚薬を塗ったのですが、腫れが酷くなってしまい、化膿・・
病院にいって見てもらったところ、まだ針(毛虫の毛)が残っていたらしく、そのために悪化。もう取る手段はないので毎日足をしっかり洗って、あとは自然に針がなくなるまでは痒み止めのステロイドと抗生物質を投薬で様子をみることとなりました。引用元:あーさんのブログ
バリカンをかけていなければ、化膿した状態に気づくのが遅くなっていたかもしれませんよね。
犬が毛虫のニオイを嗅いでしまったら?
犬が道に落ちていた毛虫のニオイを嗅いでしまったら、毒針毛を持つ毛虫だとすれば、大きな確率で大変な被害に遭うでしょう。
はじめにご紹介したように、毛虫の毒毛は長さ0.1-0.2mmほど。とっても細かく、風に飛ばされるくらいです。犬がフンフンニオイを嗅げば、鼻の中に入ってしまいますよね。
犬を散歩させる時は、道に落ちているものをしっかりと確認しておかなければいけませんね。
毒毛をもつ毛虫を洗濯してしまったら
毒毛をもつ毛虫のついた衣服を洗濯すると、毒の残ったままの毛が他の洗濯物にも移ってしまいます。
洗濯機の耐熱温度まではわかりませんが、熱湯を入れると、プラスティックやゴムなどの劣化につながりかねません。
何度か「すすぎ」を繰り返し、塩素系の洗濯槽クリーナーで綺麗にしましょう。塩素系洗剤は、毛虫の毒毛のタンパク質を分解するため安心です。
また、毛虫と一緒にまわした洗濯物もきちんとしなければいけません。ワタシならこうします。
- 湯船の中に入れてシャワーで(50度以上)熱湯をかけながら、そのまましばらく漬け置き
- ヒーター式洗濯乾燥機で回す
以下の方法でも良いでしょう。
- 洗濯機への対策をする
- 洗濯物にはスチームアイロンをかける
- 再度、洗濯する
とにかく、再度被害に遭わないためにも、念入りに対処しましょう。
犬を毛虫被害から守る方法
大切なわんちゃんを毛虫から守るために、前もって注意しておかなければいけません。被害に遭ってからではどうすることもできなからです。
木の下や草むらに行かない
大切なわんちゃんを毛虫の毒毛から守るためには、木の下や草むらの散歩はやめる方が良いでしょう。
散歩道に生息している植物を把握しているなら、まだ安心です。ですが、完全に知るなんて無理な話ですし、全く行かないわけにはいきませんよね。うちのトイ・プードル匿名くんも公園が大好きです。
悩ましい問題ですが、念のためできるだけ慎重に散歩の道を選ぶのがベスト。ワタシは、公園の道の真ん中を歩いていますが、木の下を避けて歩いていても、風で飛ばされてくる可能性もあるので注意しましょう。
夜の散歩には特に注意を払う
暗い夜の散歩は、道に落ちているものがはっきり見えないため、タバコの吸殻やガム・食べ物などと同様、日中の散歩以上に注意しましょう。毛虫のニオイを嗅いだり、口に入れてしまったら大変です!
パピーちゃんは特に気をつけなければいけませんね。
洋服を着せる
防虫加工の施された洋服を着せると、毛虫やノミ・マダニから、大切な愛犬を守れます。紫外線対策、熱中症予防にも効果的。夏には冷やっと感のあるクールな洋服もあります。
毛虫の毒毛は大変小さく服の繊維を通り抜けるので、完全ではありませんが、かなりリスクを減らせられますね。
帰宅したら、着ていた洋服は洗濯してくださいね。毛虫の毛がついている可能性もあります。
MANDARINE BROTHERS(マンダリンブラザーズ)のインナーロンパース(つなぎ)がおすすめ。ストレッチ性がありワンちゃんも着やすいとっても気持ちいい素材です。
靴を履かせる
落ちている毛虫や毛虫の毒毛を素足で踏むと、確実に毛虫の毒にやられてしまいます。肉球はもちろん肉球の間に、毒毛が入り込み、わんちゃんを痛みや痒みが襲います。
犬用の靴などを履かせると、大切な足を守ってくれ、かなり確率で毛虫の毒から守ることができます。
上記画像の左は、ポウズ(pawz)ラバードッグブーツで、右は百円ショップの風船です。また別記事で改めて詳しく解説しますが、風船の口の部分を切り取って履かせるだけで、靴代わりになって本当におすすめ。知人に教えていただきました。破れるまで数回使えます。
今、履かせているのはこちら。くるくる巻いてマジックテープで止めるので、しっかりしていて脱げません。やっぱり履かせやすいのが一番です。
この毛虫は大丈夫
ツマグロヒョウモン
黒と赤(オレンジ)で毒々しいイメージのあるこの毛虫。見かけることが多いという方がいるかと思いますが、ツマグロヒョウモンの幼虫で毒はもっていません。
4~11月頃の間に4~5回発生するようですが、1月にも見かけました。暖かいからでしょうね。
ヒトリガ(クマケムシ)
たわしのような姿で高速に動き回るヒトリガ(クマケムシ)の幼虫にも毒はありません。
ヒトリガには色々な仲間がいて、幼虫は同じように「クマケムシ」と言われます。
シロヒトリ
引用元:芋活.com
ヒトリガの仲間の1つ、シロヒトリの幼虫も毒を持っていません。
毛虫被害に注意しましょう
ワタシは、大切な犬がまさか毛虫にやられるなんて、夢にも思っていませんでした。どうしてあげることもできない自分が情けない気もしました。
犬や人間に脅威を及ぼす毛虫の毒毛。大切な愛犬を守れるのは、飼い主だけです。皆さん、どうか本当に気をつけてくださいね。