「10日間はケージレストで、絶対安静にしてください。」
うちのトイ・プードル妹ちゃんは、膝蓋骨脱臼(パテラ)発症が診断された際、保存療法(内科療法)のため、獣医師からケージレストで絶対安静と言われました。
ケージに入れたって、うちの子がじっとしているわけがない。2本足で柵にピョンピョン飛びついてキャンキャン鳴き続けるのは目に見えている。そんな風に考える飼い主さんも多いでしょう。
そんな時に、うちが行なったケージレストのやり方や、ケージの広さ、ストレス解消法などについてお話したいと思います。
ケージレストとは
ケージレストは、その名の通り「ケージの中で休む」を意味し、狭いケージの中で運動制限を行なって絶対安静にすることです。膝を休ませて、消炎・鎮痛剤を使いながら痛みを緩和させるのが目的です。
それだけでパテラの症状が落ち着いて、外科的治療(手術)をしなくてもいい状態になるケースもあるのだそう。椎間板ヘルニアの犬も、ケージレストをするだけで改善するという動物病院もありました。
犬のケージレストの広さ
いくつかの動物病院が推奨している犬のケージレストの広さを調べてみました。いずれも椎間板ヘルニアのケージレストについてですが、説明の仕方は多少違うものの、だいたい似たような広さです。
桑原動物病院推奨ケージレストの広さ
ケージレストとは体長の1.5倍未満のケージ内で安静にさせておくことを指します。
引用:桑原動物病院
京都中央動物病院推奨ケージレストの広さ
目安は寝返りが打てて、歩いたり飛んだりできない程度の大きさで、体格の約1.5倍のサイズのケージが推奨されています。
引用元:京都中央動物病院
体格の約1.5倍サイズは、以下になります。「寝返りを打つことができる」のも目安の1つにするということ、ギュウギュウにならないサイズを選ぶといいですね。
りょう動物病院推奨ケージレストの広さ
ワンちゃんが1~2歩前進後退は出来るが方向転換や上下の動きが出来ない広さにします
狭くて可愛そうな気もしますがここまでして絶対安静が可能になり回復が期待できるのです
病院では入院室に組み立て小ケージを入れています
引用:りょう動物病院
ケージレストするクレートサイズの目安
ケージレストのため、クレート(ハードキャリー)を急いで購入しましたが、狭すぎてかわいそうだと思いきや、推奨サイズでいくと2kg弱のトイプードル妹ちゃんには広すぎました。
体重2kg弱の妹ちゃんは、伏せすると43cmくらい、体重3kg弱の匿名くんは、伏せで47cmほど。
同じリッチェルのクレートなら、Sサイズ(幅28cm 長さ45.5cm 高さ26.5cm)が妥当。伏せして50cm前後の子は、Mサイズでちょうどいいんじゃないかと思います。
色々見ていると、メーカーによって多少違いはありますが、だいたい似通ったサイズです。ただし、「XSサイズ」となっていても、Mサイズほどあるクレートもあったので必ず内寸の長さで選んでくださいね。
クレートを買ったものの、トイレはどうするのか。タイミングを見計らってトイレへ乗せても、必ずするとは限らないし、我慢やお漏らしさせるのもかわいそうなので、うちはクレートでのケージレストはやめました。
飼い主さんがお仕事で、ずっとお留守番だとすれば、なおのことクレートに入れっぱなしなんてできませんね。
※クレートサイズはあくまでも個人的意見です。獣医師など専門家にお尋ねください。
膝蓋骨脱臼グレード2 我が家のケージレストのやり方
我が家は、お迎えした際一緒に購入したトイレを置いて寝るスペースのあるくらいのケージで、天井を低くしてケージレストを行ないました。底と天井は使わず、柵のみの利用です。
突っ張り棒3本を結束バンドでケージの柵に固定し、上から枕などを乗せて完成です。(4本5本ある方が安定します。)
もう少し低い方がよかったのですが、柵の横ラインのある場所に引っ掛ける必要があったので、この高さになりました。
多少広さはあるものの、「出して」と2本足で立ち上がろうとしても、低くした天井が邪魔で中腰にもなれないので、足へ負担がかかりません。出して欲しくて鳴いたとしても暴れ回れず、かなり動きを制限できます。
どうにかして立ち上がろうとしても、枕やクッションだと頭をぶつけても痛くありません。
おトイレも入る大きさなので、おしっこやうんちのタイミングを逃して我慢させてしまうこともない。飲み水も入れておけます。とにかくこれで一安心。万が一、お留守番をしなくてはいけなくなっても大丈夫です。
注意点は、危険なので結束バンドの先は必ず外側にすること。また、いたずら好きのわんちゃんは、枕やクッションだと引きずり下ろしてしまう可能性もあるため、支えを増やしたり乗せるものに工夫が必要ですね。少し大きめのわんちゃんだと、こんな細い突っ張り棒だと手でひっかいたり噛み付いてしまうかもしれないので、太めの棒やトレイのようなものがいいかも。
天井を作って低くするケージレストを参考にさせてもらったのは、膝蓋骨脱臼のトイプードルかえでちゃんが行なったケージレストの方法でした。
プラスティックでできたケージの中に、柔らかいスポンジ製のサークルの下に敷くマットが丁度入るんです。
どうしてこんなものをケージの中に入れたのかと申しますと、かえでは外に出たくて中で激しくピョンピョンと跳ねるのです。
丁度、かえでの頭の高さにこのマットを入れました。
スポンジで出来ているので、頭をぶつけても痛くありません。
うちの妹ちゃんも、2本足で立ち上がってピョンピョン跳ね暴れるとわかっていたので、ケージレストの意味をなさない。かといって、クレートへ閉じ込めるのもおトイレ問題が生じるため、必死で探し出したのがかえでちゃんのブログだったんです。本当に感謝です。
どのように固定しているのかはわかりませんが、こんな大きなマットの方が安定するかもしれません。
パテラのケージレスト ストレス解消法
妹ちゃんは、パテラを発症した際、痛くて遊びも途中でやめてしまう状態でしたが、1日2日と経過度に元気を取り戻し、出して!遊びたい!と泣き続けていました。先住犬の匿名くんが外で遊んだりもするので、余計にかわいそうな状態でした。
つらいケージレストの間、我が家ががストレス解消法にしたことをご紹介します。
ケージの下の隙間からおもちゃを入れて遊ぶ
ケージ内におもちゃを入れていても、ずっとひとりで遊ぶのは当然無理があります。
そのため、ケージの下の隙間からおもちゃを入れ動かして遊んであげると、伏せの状態でカミカミしたりと、機嫌良く遊んでいました。その時、先住犬も同じように一緒に遊んでいました。
ケージの下の方と、4本足で立った高さにおもちゃをはめ込むと、相手をしてあげていない時、ひとりで遊ぶ時もありました、
マッサージしてあげる
ケージの隙間から手を入れて、マッサージしてあげるとわんちゃんは喜びます。言うことをきちんときくわんちゃんなら、マッサージの間だけ外に出してあげるのもストレス解消になります。
膝が外れやすくなっている時は、下手に足を触ると危険なので、耳の後ろや肩甲骨など、指の腹でくるくると軽く撫でてあげてくださいね。
外に出してあげる場合は、5分だけ10分だけと時間を決め、ダラダラとしないように注意。ケージに戻った時、もっと出たがったり「出して」と催促するようになってしまいます。
抱っこで散歩
ケージレストの間はお散歩も厳禁です。毎日お散歩へ行っていたわんちゃんにとっては、かなりの苦痛になります。抱っこでお散歩をしてあげましょう。
ケージの中でうろうろとするなら、だっこで散歩する方が膝にもいいし、ストレス解消になります。外の景色を見せたり、公園でおやつを食べたり、草木などを匂わせてあげると、嬉しそうにしていました。
注意点は、スリングやキャリーバッグには、絶対に入れないこと。中で立ち上がったり暴れると、安静していることにはなりません。
また、暴れて膝が外れると、スリング内で変に固定することになり、余計に悪化してしまいます。外で、わんちゃんや人に会って興奮したり暴れないなら問題ありませんが、多くのわんちゃんが「おりたい」と足を突っぱねるでしょう。
抱っこは、足を固定せず、お尻と胸部を包み込むように横抱きしてあげてくださいね。(犬が4本足で立っている姿勢で足はブラブラ)足まで抱えると、暴れた時に突っ張って膝へ負担がかかります。ハーネスや首輪をつけリードをつなげ、しっかり持つのも忘れずに。
おりこうにしている時は、家の中でもだっこしてあげていました。
スマートフォンで動画を見せる
スマートフォンなどで、「犬が喜ぶ動画」を見せてあげるのも退屈しのぎになりました。YouTubeでたくさんアップされていますよ。興奮するわんちゃんには注意してくださいね。
「犬が落ち着く音楽」をかけて、眠りやすいようにするのも◎。
噛むおもちゃや犬用ガムをあげる
犬は噛むことが大好きなので、噛むおもちゃや犬用ガムはストレス発散になります。
ただし、噛んで破損するおもちゃや犬用ガムは、飼い主さんが必ず手に持って与えてくださいね。特にガムは好きに噛ませると、誤飲の原因になります。
歯磨き効果のあるとされる、食べても大丈夫なおもちゃがありますが、与えっぱなしにするのは絶対ダメです。ガムのカロリーにも注意しましょう。
うちの場合、夜はケージから出して一緒に寝ました
絶対安静のケージレストではしてはいけないことですが、ワタシは夜寝る時は妹ちゃんをケージから出して一緒に寝ていました。
ただし、締め切った4畳半の部屋で、ベッドやケージなども置いているのでほんの狭いスペースでした。ベッドへは上がれないようにし、動けるのはごくわずかな範囲。枕元でぐっすり眠っていました。
犬と一緒に寝ること自体 賛否あるでしょうが、かなりストレスを溜めずにすんだ大切な時間だったと思います。
ケージレストで注意すること
かわいそうだと構いすぎない
ケージレストは、パテラを改善するための治療の一環です。大切なわんちゃんのためだと思い、心を鬼にして耐えましょう。
かわいそうだからと構いすぎると、飼い主さんの気持ちが伝わり「自分はかわいそうなんだ」と、もっと思わせてしまうことになります。すると、ケージレストが、さらにわんちゃんを苦しめることになりかねません。もちろん、飼い主さんも同じ。もっとストレスが溜まり、悪循環です。
いわゆる共依存の関係ですね。トイプードルの被毛について監修して下さったトリマーさんとの話の中でも、「共依存」についてあるあるだとおっしゃっていました。
鳴いている時はシーツをかけて放置する
出してくれと言わんばかりにキャンキャンワンワン吠える時は、シーツや毛布などをケージにかけて放置しましょう。シーツをかけてしばらく無視すると、諦めて少し静かになったり、眠ることもありました。
犬が吠えた時、抱いてあげたり構ってしまうと、「吠えれば構ってもらえる」と学習してしまいます。ケージレストの時以外でも、要求吠えをするようになる可能性も。
シーツを被せる前も、目を合わせず声もかけないを徹底します。
おりこうさんにしたら思いっきり褒める
静かになったり、おもちゃでおりこうさんに遊んだら、これでもかというほど褒めてあげると効果大。褒めた後、しばらくケージの横に寄り添って、手を入れて撫でて声をかけるとわんちゃんも喜びます。
ただし、鳴き止むのは一瞬だけで、またすぐ鳴き続ける時だってあります。そんな時は、すかさず鳴きやんだタイミングで、思いっきり褒めてあげてくださいね。おやつをあげたり、ケージから出してだっこしてあげるのもおすすめです。
怒らない
ケージの中に閉じ込められたわんちゃんは、膝の治療だなんて知る術もありません。何が起きてしまったか理解できず、出して欲しいと鳴くのは当然。
そんなわんちゃんに「静かにしなさい」と怒っても意味がありません。むやみに怒ると、信頼関係が崩れてしまうので、いい子にしている時には褒める。いつもと同じようにコミュニケーションを大切にしてあげましょう。
意外とケージのそばに座っているだけでも、おとなしくしてくれました。
ケージレストその後
ケージレストでマシになったものの悪化
ケージレストして3日くらい経過し、膝が外れる症状はましになったような感じでした。
でも、ケージレストの最中のだっこ散歩で偶然会ったおじぃちゃんに抱っこされた時、暴れて脱臼したことがきっかけで、さらに症状がひどくなってしまったんです。(ですから、絶対足を支えてはいけない)
小さなケージの中で2,3歩歩くだけでも、膝が外れてしまうほど。それに、外れた膝を戻しても一瞬で外れてしまうようにまで悪化してしまいました。ずっとびっこ状態。戻しても戻らないグレード3にまで進行してしまったのかとショックでした。
動物病院では、調子が良い日は普通にし、悪い日はケージレストをしたりしながら様子を見ていくしかない。そして手術を検討していく方がいい…と言われ、絶望するような思いでした。ずっと調子が悪いのだから、ずっとケージレストしなきゃいけないってことになる。もう手術しかないのか…と。
ケージレストをやめることで功を奏した
でも、翌日別の動物病院で診てもらうと、獣医師からケージレストをやめてみるのはどうかと提案があったんです。
- ケージレストをしても外れているから、ケージレストの意味をなしていない
- 痛い時びっこで足をあげている状態は、足を使っていないから安静にしているのと同じ(ケージレストと同様)
- 膝が外れにくい動きを習得させるため
などという理由です。詳しくは以下でご覧ください。
ケージレストをやめた部分からはこちら
ケージレストをやめて、普通に生活させた結果、たった1ヶ月半でほとんど膝が外れなくなりました。驚くことに「ケージレストをやめる」ことが功を奏したんです。獣医師の判断に本当に感謝です。
もちろん、サプリメントなどを飲ませたりできることを行ないましたが、「膝が外れにくい動き方や歩き方を覚えた」のかもしれません。ケージレストを続けていたら、何も学習しないまま筋肉量も減少し、ますます悪い状態になっていたと思います。
うちの子のパテラがほぼ治った一番の理由
うちの子のパテラが良くなったのは、サプリメントのおかげが一番高いと考えています。「2週間でよくなった」という口コミに期待して飲み始めると、本当に2週間たたないうちに、効果が出始めたんです。もう、どれだけ嬉しかったことか。だからこそ、ケージレストをやめても、良い状態へいったんですね。
関節や皮膚被毛、心血管、腎臓などの健康を維持するアンチノール、本当に出会えてよかったと実感しています。
なんでも、熱をかけずにモエギイガイから抽出した、オメガ-3脂肪酸を含む91種類の脂肪酸の集合体「PCSO-524」が含まれているサプリメントは、アンチノールだけなのだそう。サプリなので副作用もなくて安心。
1粒100円ほどで少しキツいかもしれませんが、逆に言えば1日たった100円で痛みや症状をなくしてくれるなんて安いもの。1回目は病院で購入しましたが、公式サイトで申し込むと、初回『15日増量実感パックを』プレゼントしてもらえる上、5%OFFになるので公式サイトからの購入に切り替えました。
かかりつけの動物病院で、病院コードを聞いて入力してください。60日返金保証もあるので、合うかどうか不安な方でも安心です。
トイプードルは、多くがパテラ予備軍だと聞きます。先住犬の匿名くんもパピーの頃、何度か外れました。その後は何もありませんが、パテラを進行させないためにアンチノールを飲ませています。少しでも長生きを目指して。
妹ちゃんがパテラを発症する前に、アンチノールを飲ませていたら、発症せず今よりマシだったのかも。痛い思いをさせずに済んだのかもと考えたりもします。
パテラ手術を勧められたらひとまず他の病院で診察を
ワタシは、パテラですぐに手術を勧められた場合、他の獣医師に相談する方が良いと思います。
うちは、グレードが上がってしまったんじゃないかという状態になった時、「調子が良くなったら散歩したり普通に生活する/調子が悪ければケージレストをする」そのように言われました。ですが、調子が良くなることもないので、ずっとケージレストするしかない、そして、手術を考えなければいけない状態。
獣医師に対し頼りなさや違和感を覚えたから、他の動物病院で受診し転院したわけですが、行動に移さず言われたままだったら…と思うとゾッとします。
もちろんグレードがもっと高かったり、骨の変形や靭帯へ負担がかかりすぎているなど、絶対に手術した方がいい子なら、獣医師の指示に従った方がいいかもしれません。
でも、なんというか「この先生だ」とピンとくる勘のようなものって大事。なんとなくモヤモヤを感じたり違和感があったら高い確率でやめておいた方がいいんじゃないかと。
たとえそれなりに信頼している獣医師であっても、「本当にこの先生で大丈夫か?」と多少の疑問は持った方がいいと思うんです。
「一生手術をしないままで大丈夫な子もたくさんいる」
それに賭けて、今後できることをしながら、希望は捨てずにいたいと思います。
※セカンドオピニオンは、主治医に申し出て、他の医師に意見を求め、その意見を踏まえて主治医と治療方法を考えていくこと