【獣医師監修】ペットに安全なロクシタンハンドクリームは1つだけ

犬猫などペットを飼っている方に、ロクシタンのハンドクリームはあまりおすすめできません。ですが、ロクシタンでもペットが舐めても安全な保湿製品があります。

ここでは、ペットに危険のないロクシタンの保湿製品と、危険のあるロクシタンハンドクリームなどをご紹介します。

 

監修してくださった先生
平松育子獣医師

平松育子獣医師

 
大手企業 勤務獣医師 院長
アイビー・ペットライティング代表
公益社団法人 日本アロマ環境協会認定アロマテラピーインストラクター

【得意分野】

皮膚疾患・内科疾患・アレルギー、アトピー

監修日2024年1月22日

平松育子先生について詳しくはこちら

※本ページには広告が含まれていますが、しっかりと検証テストを行いレビューしています。

ロクシタンの中でペットに安全なハンドクリームはシアバターだけ

ペットがいても大丈夫なロクシタンシアバター

ペットに安全なシアバターの成分

人気のロクシタンの中で、犬猫などのペットに安全なハンドクリームは、シアバターだけです。

シアバターの原材料は、天然成分「シア脂」のみ。ペットに有害な化学合成成分や、酸化防止剤や防腐剤などの添加物が含まれていないので、ペットが舐めても安心です。

ロクシタン シアバターは、ハンドクリームだけでなく、ボディケアやヘアケア、リップの代用、メイク下地など、全身に使える上ペットの肉球ケアにも使えて超便利なんですよ。

そもそもシア脂(シアバター)とは

ロクシタンシアバターの原材料のシア脂

シアバターとは、西アフリカから中央アフリカに生息するシアの木(アカテツ科シアバターノキ)の実から採れる植物性油脂のこと。

シアバターは、シアバターノキの木の実を、不純物を取り除くために水と混ぜ合わせ、表面に残ったバターを加熱したものです。保湿の王様とも言われていて、化粧品をはじめヘアケア製品、ペット用の肉球クリームなどにも使われています。

シアバターの主成分はステアリン酸やオレイン酸・リノール酸などの脂肪酸で、人の皮脂と似た性質を持つため、角質層に浸透し肌を滑らかにしれくれます。その上で、蒸発しにくい不乾性油が皮脂膜の働きを担い水分の蒸発を防ぎ、肌を乾燥から守ります

またビタミンも豊富で、ビタミンE(トコフェロール)の抗酸化作用によってエイジングケアにも最適です。

ロクシタンシアバターの使用感

犬が舐めても大丈夫なロクシタンシアバターのテクスチャ画像

爪でこそぐように取り肌にのせた時はまだしっかり固形

 

ロクシタンシアバターは、ペットに安全なシアバター(シア脂)100%、添加物は何も含まれていません。

バームタイプなので使い心地の好みは大きく分かれるでしょうが、しっとり肌を潤わせキメを整えてくれます

固まっているままのシアバターを塗り広げる時には重く硬さや粘り気を感じます。

手のぬくもりで溶けたロクシタンシアバターの画像

ロクシタンシアバターは、36℃が融点のため手の温もりで溶けて馴染みやすくなる

 

体温で溶け出した後は、柔らかくて伸びもよく、馴染ませやすくなります。

丁寧に指先まで伸ばしていくと、ゆっくりと浸透していくいい感じ。塗り込んでしばらくすると徐々にサラサラになっていきます。

直後はベタつき、急いでいる時には少し不快感。すぐにスマートフォンは触れません。

でも、おそらく犬猫の毛はそこまでつかないんじゃないかなと思います。うちの場合、トイプードルであまり毛が抜けないからか、全く問題ありませんでした。

シアのニオイは油臭い・香ばしいなど人それぞれですが、感じる方感じない方に分かれるでしょう。ワタシはロウみたいなニオイだと感じましたが、臭いとは思いませんでした。

ジャー容器の蓋が、少し閉めにくいのがデメリット。価格的にもお財布に優しいとはいえないかも。

安全安心という点では、ピカイチですよ。

名称 ロクシタンシアバター
内容量/価格 10ml/1,540円
150ml/5,390円
香り 無香料
(ほんのりシアの香りがする)
成分 シア脂100%
使用期限 10ml/未開封 購入から3年以内 
   開封後 なるべく早く
150ml/製品裏側に記載


 

ロクシタンのハンドクリームはペットに危険だから使えないの?

犬に安全なロクシタンシアバターとトイプードル

シアバターなら安心だけど…ハンドクリームは?

 

さまざまな種類のロクシタンハンドクリームは化学合成成分や香料などが使用されているため、安全だとは言えません

ですが、基本的にハンドクリームは人の肌につけたり口に入ることも想定されて作られているので、ペットに大きな危険が及ぶ成分は含まれていません。ペットがハンドクリームを少し舐めたとしても、何も問題が起きない可能性の方が高いと言えます。

ロクシタンのハンドクリームを塗った手を数回舐めたり、その手でペットのおやつをちぎって与えたりするくらいなら、さほど問題はないでしょう。

ロクシタンハンドクリームの成分を見ると、何やら悪そうな名前がズラッと並んでいますが、犬猫のボディクリームやシャンプーなどにも使われている成分もたくさんあります。

(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーや、エチルヘキシルグリセリン、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、イソステアリン酸ソルビタンなど。

人間用はもちろんのこと、わんちゃんねこちゃんなどのペット用品でも、界面活性剤や乳化剤などの使用は切っても切り離せないとも言えるんですよね。

でもやっぱり危険な成分はさけたい!ペットNGのロクシタンハンドクリーム

かといっても、やはり毎回舐め続けたり食べてしまうとなると、嘔吐や下痢、場合によってはもっと深刻な事態を招くかもしれないのでペットがいる方は使わない方が安心です。

ロクシタンの中でも、やめておきたいハンドクリームの例をいくつかあげていきますね。

ペット全般

ロクシタン シアハンドクリーム

ペットに危険なロクシタン シアハンドクリーム

水、シア脂、グリセリン、(カプリル酸/カプリン酸)ヤシアルキル、セテアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、アブラナステロールズ、アルガニアスピノサ核油、ヤシ油、ヒマワリ種子油、ステアリン酸PEG-100、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、セテアレス-33、カプリリルグリコールエチルヘキシルグリセリン、イソステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、ペンチレングリコール、β-グルカン、トコフェロール、香料

 
エチルヘキシルグリセリンの分類はペットにとって危険なアルコールで、カプリリルグリコールは、有効成分を抽出する際の溶媒としてエタノールが使用されています。

人は肝臓でアルコールを分解できますが、犬や猫はアルコールを分解できません。原液でなくても怖いですよ。

(セテアリルアルコールは、アルコール(エタノール)とは別物)

平松育子獣医師
犬や猫のアルコール致死量は、体重1kgあたり5.5~6.5mlと言われています。 アルコールの濃度にもよりますが、濃度が高いほど危険です。

平松育子獣医師
体重が3kgのプードルであれば、16ml~20mlで死に至るかもしれません。

 

ワタシ
15mlは大さじ1杯です。

ヴァーベナ アイスハンドクリーム

ペットに危険な成分の入ったロクシタンヴァーベナ アイスハンドクリーム

水、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、グリセリン、エタノール、タピオカデンプン、野菜油、ボウシュウボク葉エキス、タチジャコウソウ油、セイヨウハッカ油、ポリアクリル酸Na、ポリメタクリル酸グリセリル、フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、クロルフェネシン、安息香酸Na、トコフェロール、香料

 

ロクシタン ヴァーベナ アイスハンドクリームにも、エタノール(アルコール)が含まれています。

ちなみに、ペットの中でも小さくて人気のハムスターはアルコールを分解できるというから驚き。(とはいえ、アルコール中毒になるリスクあり)

ワタシ
幼少期、コップにとまってビールを飲むインコが親戚の家にいました。今考えると恐ろしいです…

ミントヴァーベナ ソルベハンドクリーム

ペットに危険な成分の入ったロクシタンミントヴァーベナ ソルベハンドクリーム

水、グリセリン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、エタノール、タピオカデンプン、野菜油 、ボウシュウボク葉エキス、レモン果皮油、ハッカ葉油スペアミント油、シア脂、フェノキシエタノール、ポリアクリル酸Na、クロルフェネシン、ポリメタクリル酸グリセリル、安息香酸Na、ソルビン酸K、クエン酸、香料

 
こちらにも、エタノールが使われています。

また、犬猫をはじめペット全般にハッカ・ミントは注意が必要で、下痢や嘔吐・肝機能の低下などを引き起こすリスクがあります。原液を舐めるわけではないにしても、やめておいた方が安心です。

犬猫がペットの方

ラベンダー リラックスハンドクリーム

犬猫に危険な成分が入ったロクシタンラベンダー リラックスハンドクリーム

水、グリセリン、シア脂、ブドウ種子油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ラベンダー油、ヒマワリ種子油、ホホバエステル、セタノール、カプリリルグリコール、カルボマー、ポリグリセリル-3ミツロウ、ステアロイルグルタミン酸Na、キサンタンガム、水酸化Na、トコフェロール、香料

 
ロクシタンのラベンダー リラックスハンドクリームには、犬猫にNGの「ブドウ種子油」猫にNGの「ラベンダー油」が使われています。

また「水酸化Na」は化粧品やヘアケア用品への使用が認められている成分ではありますが、濃度を超えると毒物・劇薬に指定されているため、たとえ少量でも入っていない方がいいでしょう。

ワタシ
何しろ、ペットの多くは数キロの体重ですよね。小さいほど気をつけた方がいいですね。

ネロリオーキデ ハンドクリーム

ペットに危険な成分が入っているロクシタンネロリオーキデ ハンドクリーム

水、グリセリン、シア脂、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ブドウ種子油、ジステアリン酸ポリグリセリル-6、ポリアクリル酸Na、タピオカデンプン、バニラ果実エキス、ビターオレンジ花油、ビターオレンジ花エキス、ヒマワリ種子油、セタノール、ホホバエステル、カプリリルグリコール、ポリグリセリル-3ミツロウ、ステアロイルグルタミン酸Na、キサンタンガム、トコフェロール、香料

 
ロクシタンネロリオーキデハンドクリームにも、犬猫にNGの「ブドウ種子油」が使われています。

プレゼントされたロクシタンハンドクリームの使い道

 

人からプレゼントされたロクシタンハンドクリームは、ペットと触れ合わない外出時や仕事中に使用しましょう。

ロクシタンはとても人気なので、メイクポーチに入れたりポケットから出す時や、塗る時のいい香りで気分があがりますね。

ロクシタンハンドクリームのだいたいの使用期限は1年ほどなのでワンシーズンで使い切り、余らせないように注意しましょう。

寝る前だけ塗ってハンドケア用の手袋をつける方法もおすすめ。寝ている間に手袋を外してしまう方は注意してくださいね。

ロクシタンシアバターとワセリン比較

左ロクシタンシアバター 右ワセリン

ペットへの安全性はどちらも同じ

 
自然成分で無添加のシアバターとワセリン、どちらがいいかと迷っている方もいるでしょう。一言で言えば、以下のような違いがあります。

  • シアバター:栄養分が皮膚に浸透し、皮膚バリアを回復しながら、表面に膜を張って乾燥予防する
  • ワセリン:表面に膜を張って水分の蒸発を防ぎ乾燥予防する

 

肌への栄養成分が含まれているため、美容面ではロクシタンシアバターが優秀。アンチエイジング対策をしたい方はロクシタンシアバターがおすすめです。

ワセリンの保湿力はかなりのもので、多くの動物愛好家が使用していますが、塗りやすさでいえばワセリンの方がおすすめ。(柔らかいワセリン)

塗った後の質感はどちらもしっとりしますが、ロクシタンの方がサラサラ、ワセリンはもちもちという感じです。

 
比較表をご覧ください。(スクロールできます)

商品名 ロクシタンシアバター ワセリン
容量/価格(税込) 10ml/1,540円
150ml/5,390円
60〜500g
/約300〜1,500円
原材料 天然成分
シア脂100%
天然成分
ワセリン100%
ペットへの安全度
(アレルギーを除く)
栄養成分 ステアリン酸、リノール酸、
パルミチン酸脂肪酸、オレイン酸
などの脂肪酸
ビタミン
なし
働き 角質層に栄養分(脂肪酸)が浸透
角質上に皮脂膜を張る
乾燥予防
保湿作用
角質を柔らかくする
抗酸化作用
角質上に皮脂膜を張る
乾燥予防
保湿作用
角質を柔らかくする
香り 無香料
シア脂のニオイが気になる人も
無香料
石油のニオイが気になる人も
保湿感
ベタつき 星2〜5
種類による
のび/塗りやすさ 星3〜5
種類による
塗った後の肌の質感イメージ しっとりサラサラ しっとりもちもち

 

栄養分を補うためにシアバターとワセリンを混ぜて使う方もいます。でも面倒なので、夜はたっぷりシアバターを塗って肌に栄養を届け、日中忙しい時はワセリンで保湿してもいいですね。

ワタシ
大切なペットのために、危険のあるハンドクリームは避け安全なものを使いましょう。

 
ワセリンについては、以下で詳しくご覧ください。

参考文献
J-STAGE Fenvalerate のイヌにおける代謝 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpestics1975/9/2/9_2_269/_article/-char/ja
Yahoo!ニュース「ハッカ油を塗ったマスク」は猫には危険?...アロマテラピー検定1級の獣医師が解説 https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d248036498c7e129ffee15ef2a00ec8cfdaace41
化粧品成分オンライン 化粧品配合成分「水酸化Na」の総合レポート https://cosmetic-ingredients.org/ph-adjuster/2862/