ぬいぐるみのような可愛さを持つトイ・プードルには、スクエア・ハイオン・ドワーフという3つの体型があります。
ここでは、トイ・プードルの3つの体型や、体型をチェックする方法をご紹介するとともに、今1番人気のある体型「ドワーフ」に焦点を当て、見分け方選び方などを解説していきます。
可愛いドワーフの成犬画像も掲載しています。
トイ・プードルの体型チェックの基本
トイ・プードルの体型を解説する前に、サイズを計測する箇所を知っておきましょう。
犬の体型は、体長と体高の2箇所のサイズで決まります。
体長と体高の測り方
- 体長:4本足で立った状態で、地面から「キ甲(きこう)」までの長さ
- 体高:胸の「胸骨端(きょうこつたん)」〜お尻の骨「坐骨端(ざこつたん)」の長さ
キ甲(きこう)は、肩甲骨の上部と、第1第・2胸椎が接する部分で、首の付け根辺りの盛り上がった部分です。体長・体高には、頭や尻尾の高さや長さは含めません。
トイ・プードルの平均サイズ
アメリカンケネルクラブ(AKC)と国際畜犬連盟のデータを元に出した、環境省の計算によると、トイ・プードルの平均サイズは以下のようになっています。
平均 | 国際畜犬連盟 | AKC | |
体高 | 25.8cm | 24〜28cm | 〜25.4cm |
体長 | 27.09cm | 25.2〜29.4cm | 〜26.67cm |
体重 | 2.27kg | ー | 1.81〜2.72kg |
参考:環境省
平均は以外と小さいんですね。
トイ・プードルの3つの体型
トイ・プードルには、以下3つの体型があります。
- 「スクエア」:均整の取れたスタイル
- 「ハイオン」:足の長いモデル体型
- 「ドワーフ」:胴長短足/小さい個体
「スクエア」:均整の取れたスタイル
体長と体高の長さが同じ体型がスクエアです。足先から肩甲骨の上部までの体高と、胸からお尻までの体長が、1:1の正方形の比率です。
プードルの中では、バランスのとれたもっとも理想的な体型と言われています。スタンダードプードルで多く見られるスタイルで、トイ・プードルでは珍しい体型だとも言われています。
「ハイオン」:足の長いモデル体型
ハイオンは、体長よりも体高が高い、足の長い体型で、「ハイオン・レッグス」と言います。
スラリと伸びた四肢がスタイリッシュで、立ち姿は、トイ・プードルの美しさを象徴しているよう。いわゆる都会的なモデル体型ですね。ドッグショーでは、ハイオンタイプのトイ・プードルがほとんどだと言われています。
「ドワーフ」:胴長短足/小さい個体
トイ・プードルの体型の中でも人気のある「ドワーフ」は、一般的には「胴長短足」だと言われ「ローオン・レッグス」とも言います。
ドワーフタイプの場合、体長の長さに比べて体高の長さが短い場合の体型のことを言います。つまり、胴長で少々短足なプードルのことを「ドワーフタイプ」と規定されているのです。
引用元:ワンちゃんホンポ
でも…
どこを調べてもこのような言及がほとんどですが、ワタシ個人的にはピンとこないというか、なんだか違うなという気がしていたんですよね。以下のブリーダーのサイトで「やっぱりそうか」と、スッキリ解決した気持ちになりました。
本来のドワーフ体型とは「胴長短足」ではなく、上の画像のような「成犬になっても小さいサイズを保っている」トイプードルのことを言います。
このブリーダーさんの言及では、上記のトイ・プードルはどちらもドワーフということ。左は胴長短足ですが、右はスクエアのティーカッププードルです。
このブリーダーさんの言及通り、『本来のドワーフの体型は「成犬になっても小さいサイズを保っている」トイプードル』これが本当のドワーフだと言われれば納得。
「ドワーフ」は、いわゆる「小人」という意味があります。
人間よりも少し背丈の小さい伝説上の種族。民話、神話、童話、ファンタジー作品などに登場することが多い。ドワーフ小人、矮人、侏儒、あるいは単に小人と訳されることもある。
引用元:ウィキペディア
ということは...。
イメージ的に、極端に足が長ければ、ドワーフには見えないかもしれませんが、タイニーサイズ・ティーカップなどサイズの小さなトイ・プードルは、すべて「ドワーフ」ということにもなりますね。
ティーカッププードルのブリーダー ケンネルマッシュでは、以下のように言及しています。
やはり基本はスクエアで足も短いけれど胴も短い(ショートバックといいます)こんな子は立ち姿などバッチグーですよ!
ドワーフタイプほどの体高の子ででショートバックすなわち胴も短い子が綺麗なバランスの取れたスタイルの子がいいと思います。なのでドワーフタイプでなくスクエアタイプになりますが足も短く胴の詰まった質のいい子をお勧めします。引用元:ケンネルマッシュ
ドワーフタイプのトイ・プードルが人気の秘密
ドワーフタイプのトイ・プードルが人気となったのは、テディベアカットが話題になってからです。
実際には存在しない、アニメキャラのような可愛さに魅了されているからでもあるでしょう。短い足でちょこちょこと歩く、よちよち歩きの赤ちゃんのような可愛さ。短い手足・小さな体に大きな瞳は、まるで二頭身のミニキャラのようですよね。
手足が短くモフモフの毛で覆われたありえないほど可愛いルックスで、人に何かを求めてくる表情やしぐさ、遊びに夢中になっている姿。ファンタジーの世界に入り込んだような、二次元的な可愛さを持っているためです。
それは「ネオテニー」というものにも大きな関わりがあります。ネオテニーは、「性的に完全に成熟した個体でありながら、未成熟な性質が残る現象(幼形成熟/幼態成熟)」です。
そもそも、トイ・プードルは、スタンダード・プードルを小型に品種改良した犬種です。豆柴も同じ。成犬になっても未熟で可愛い個体が好まれている証拠ですね。
犬が可愛いのは、成犬になっても残る幼さあってのことですが、通常以上に幼く見えるドワーフに人気が集まっても不思議ではありません。
ジャパンケネルクラブの優良トイ・プードルの体型
血統証を発行している「一般社団法人ジャパンケネルクラブ」のトイ・プードルの定義は、以下のようになっています。
体高 24cm超(-1cmまでは許容)、28cm以下(理想体高:25cm)。
トイ・プードルはミニチュア・プードルの外貌と類似し、全体的なプロポーションも同じであり、犬種標準の全ての点と合致する。
ドワーフィズム(矮小発育症)の傾向が見られるものは全て失格とするが……
引用元:ジャパンケネルクラブ
(※矮小発育症(わいしょうはついくしょう):背たけが低く小さいこと)
人気のあるドワーフは失格になってしまうんですね。
胴長短足のドワーフの場合、かっこよくないという理由で、足が長いスタイルに見えるようなカットをしたいと考えている方もいます。トリマーの学校でも、ドワーフタイプのプードルを補正するトリミングの手法を学んだりします。
専門家が優良と認める正統なトイ・プードルが欲しかったりチャンピオン犬にしたいならともかく、このような定義はあまり関係ありませんね。
ドワーフタイプのトイ・プードルの値段ってどのくらい?
あくまでも、ワタシ個人的な感覚ですが、ドワーフタイプのトイ・プードルの価格の相場は60〜80万。
マズルの詰まった幼い顔だとさらに高額。毛吹きが良ければ、それより高額。
コロナ禍でペットの価格が高騰しているせいもありますが、現在トイ・プードルの価格もものすごく上がっています。
これまではスクエアやハイオンタイプと比べ、ドワーフタイプのトイ・プードルは比較的低価格でした。上述したように、「矮小発育症」と見られているからです。
しかし、ドワーフに人気が出てからは、びっくりするような価格になっていきました。今やこぞって足の短い子を交配にかけ、小さな小さなトイプードルが作り出されています。
タイニー・ティーカップ、そしてマイクロティーカッププードルなど、手のひらサイズの成犬もいるくらいです。
ドワーフに成長するトイ・プードルの3つの見分け方/選び方
ドワーフに成長するトイ・プードル、選ぶ基準は以下の3つです。
- 両親と、そのまた両親がドワーフであること
- 生後2ヶ月・3ヶ月の体重を元に予想する
- マズルが直角か斜め下向きか
(※ここで言うドワーフは、「成犬になっても小さいサイズのトイ・プードル」とします。)
両親と、そのまた両親がドワーフであること
成犬時のサイズを決める要素は先祖から受け継ぐ遺伝子ですが、代々体高サイズが確立されている事が重要です。
1代祖(父犬・母犬)2代祖(父犬の祖父母犬・母犬の祖父母犬)合計6頭が規格内の体高である事が重要です。引用元:ジャパンプードルクラブ
両親がドワーフでも、おばぁちゃんおじぃちゃんに似てしまう可能性だってあります。その子の両親を見せてくれる場合や、両親の体重を教えてくれるブリーダさんやペットショップを選ぶといいですね。それを元にだいたいのサイズ感が予想できます。
生後2ヶ月・3ヶ月の体重を元に予想する
トイプードルが成犬になった時の体重は、「生後2ヶ月の体重の3倍」「生後3ヶ月の体重の2倍」と言われています。
- 生後2ヶ月の体重1kg ⇒ 成犬3kg
- 生後3ヶ月の体重2kg ⇒ 成犬4kg
必ずしもそうなるとは限りませんが、基準の1つとして考えていいでしょう。ちなみに、成長は約8ヶ月〜1歳ほどで止まります。
骨格のしっかりしている子も、大きくなる確率がアップします。
マズルが直角か斜め下向きか
左画像引用元:maruone
左上のトイ・プードルちゃんをご覧ください。足が短くとっても可愛くってものすごくチャーミング。両親の体重は記載されておらず、「ドワーフ」と紹介されています。現在はドワーフに間違いないかもしれません。ですが、この子は、勝手な想像ではありますが、ワタシの予想ではドワーフではなくなる気がしました。(大きくなる)
予想は「2.7kg前後のタイニーサイズ」となっていますが、おそらく4kgは軽く超えるんじゃないかと思っています。なぜ大きくなると思うのか?成犬になると大きくなる顔立ちをしているからです。
右は現在2.7kgの匿名くんが役ヶ月の頃ですが、左の子と比べてマズルが直角で短いですよね。大きくなる子、小さく育つ子は、このような顔立ちの違いがあるんです。
ドワーフちゃんを飼いたいなら、横顔を見てマズルが直角の子を選ぶと、ドワーフに成長する可能性が高いと感じます。
ただし、匿名くんはスクエアですし、100%確実とは言いません。あくまでも傾向の話ですよ。(匿名くんは、初めから「トイ」と言われていました。)
よく言われる「可愛い顔」の見方、目と鼻を結ぶラインが「正逆三角形」であることと同じです。真正面だとほんのちょっとした違いで全く違ってくるので、横顔を見た方がわかりやすいですよ。
もちろん両親の体重が軽ければ、そこまで大きくならないかもしれません。タイニーサイズ・ティーカップサイズと言われていても、両親の体重がわからない場合は要注意です。
「ドワーフだと思ったのに…」とならないために
「ドワーフ」だと思っても、成長すると「ドワーフ」じゃなくなるケースがあります。
そもそも、パピーの頃はほとんどの場合短足に見えるんですね。子犬の頃は短足の子が多く、成長とともに足が長くなっていきます。マズルも成長するとともに長くなります。
「本来のドワーフ」を解説していたブリーダーさんでも、以下のように記載されています。
トイプードルは被毛がモコモコしているので、足がまだ短い子犬期はより胴長短足に見えます。
しかし胴長短足という体型は、そのままの体型を保ったまま成長することは稀であり、胴長短足で生まれても成長の過程で手足が伸びてくる子も多いようです。
そのため、ペットショップの謳い文句に惑わされてしまう方が多くいらっしゃいます。
ただ、足の長さを見て、あきらかにドワーフではないとわかる場合もあります。見た目、足が長いなと感じるかどうかです。以下の画像をご覧ください。
左画像引用元:みんなのブリーダー
左上は3ヶ月のトイプードルちゃん。成犬時予想体重が2kg~3kgのタイニー、父親は小柄・母親の体重1.9kgとのことですが、足が長いのがわかりますよね。
右は、匿名くんが3ヶ月の頃の写真です。ものすごく足が短くドワーフに見えますが、今はスクエアタイプなんです。足が短かった匿名くんでも、現在スクエアなので、この子は確実にドワーフではないとわかります。
もちろん、サイズが大きくなり、胴の方が長いとすれば「胴長短足」」の「ドワーフ」になりますが、「小さい成犬」という意味でのドワーフではありません。
以下のトイプードルちゃんも同じく足が長く感じますが、やはり2匹とも成犬時サイズは~4kg予想となっています。
左画像引用元:みんなのブリーダー
右画像引用元:みんなのブリーダー
被毛の多さで見た目がかなり違ってきますが、ある程度の指標としてくださいね。
トイ・プードル ドワーフの成犬画像
では、トイ・プードル ドワーフの成犬画像をご紹介します。
この子は、超ドワーフ体型1.5kgの「Aランク成犬」と記載されています。ティーカップサイズの上、足が短く胴の詰まった完璧なドワーフタイプのビジュアルですね。
引用元:ぱぴぷぺっと
こちらは、1.3kgの交配犬の女の子です。こんな小さなサイズで赤ちゃんを産むなんて信じられないくらいですね。パパもドワーフとすれば、小さな小さな仔犬になるのでしょうね。
引用元:ぱぴぷぺっと
このワンちゃんは、4歳で2kgの男の子。成犬に見えず、まるでパピーちゃんみたいですね。
引用元:子犬の窓口
この子は、「成犬になっても小さいサイズを保っている」わけではなく、マズルも長い胴長短足という意味でのドワーフタイプのトイ・プードルちゃんです。
繁殖引退犬で9歳4ヶ月。里親が募集されています。
引用元:anifare
この子は、マルプー(マルチーズとトイ・プードルのミックス)でしょうか。胴長短足で尻尾が長くとってもチャーミングです。
まとめ
コロコロとしていて本当に愛らしいドワーフタイプのトイ・プードル。
トイ・プードルのドワーフタイプを選ぶためには、ブリーダー犬舎で両親を見せてもらったり、トイ・プードルにより詳しいブリーダーさんに話を聞きましょう。
ですが、ある程度予測はできても、子犬のうちに見分けるのは至難の技です。
それに、実際には、ドワーフに成長する子を選ぼうと思って、ペットショップやブリーダーへ行っても、一目惚れした子がそうでなかったり、抱っこした瞬間のときめきや感じる運命で、何も関係なしに選んでしまったりするんですよね。
ワタシも、どちらかと言えばドワーフタイプの体型が好きですが、ドワーフでもスクエアでもハイオンでも、自分のお家の子なら、どこの子より可愛くて仕方なくなるもの。
ワタシは、2匹目のトイ・プードルを迎えた時、しっかりとコシのある被毛で、絶対に「毛量のある子」と決めていました。1匹目の匿名くんの毛量が少なく、お手入れに悩んでいたからです。でも、結局ビジュアルは関係なく「この子がいい、この子しかいない」ってなりました。結局、匿名くんよりボリュームがなく猫っ毛のような被毛。さらに上をいく悩みとなりそうです。
有名な話ですが、アメリカの歌手・女優であるバーブラ・ストライサンドは、虹のたもとに旅立った愛犬のクローンを作り出し、イチローは血が繋がっている犬を探し出して迎えているのをご存知ですか?
その話を教えてもらった時は、本当にびっくりしましたが、やっぱり「うちの子」。犬への愛情ってそんなものですよね。